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アドブロック(広告ブロック)対策への対応やアフィリエイトへの影響

アドブロック(広告ブロック)対策への対応やアフィリエイトへの影響 コラム

アドブロック(広告ブロック)とは

アドブロックとは、インターネット上の広告を非表示にするツール類の総称です。

アドブロッカーとも呼称されることがあります。

これをインストールしたPCやスマホにはサイト内の広告が表示されなくなります。

バナー広告はもちろん、YouTube等の動画広告も広告も表示されなくなります。

アドブロックを利用する側としては、邪魔な広告が表示されないのでありがたいツールです。

しかし、サイトに広告を掲載して収入を得ている運営者にとってはまさに天敵ともいえる存在です。

世界のアドブロック利用率は35%程度といわれていますが、日本でのアドブロック利用率は10%程度とやや少なめですが、近年急増しています。

アドブロックの仕組みとしては、ページ読み込み時に全体のコードの中から広告特有のソースコードを発見し、それを取り除いた上で閲覧者側に表示します。

アドブロック(広告ブロック)はどのような影響があるのか

アドブロックツールは様々な形で提供されており、ツール毎に非表示化される広告の種類も多岐に渡りますが、一般的には下記のような影響があります。

バナー系は消える

ASP各社のバナー広告は、アフィリエイトコードをそのまま貼るだけではほぼすべて表示されなくなります。

バナー表示をレイアウトの一部として表示させている場合は、その部分が無くなりますので位置ずれが起きます。

テキスト広告は影響無し

テキスト広告は基本的に問題無く表示されます。

極まれにアドブロック側にASPのURLが登録されている(基準不明)場合は、テキスト広告も表示されません。

自作の画像バナーは表示される

画像を自作で用意し、同一ドメインに配置した画像バナーは表示されます。

テキスト広告と同様にアドブロック側にASPのURLが登録されている場合は、こちらも表示されません。

アダルトサイトへの影響はどうか

アダルトサイトは主に画像を用いてのリンク、広告が主となっていることが多く、視覚的に訴えるバナー広告が表示されないと売上が落ちることが容易に予想できます。

サイト運営者側のアドブロック(広告ブロック)への対策

サイト運営者側ができるアドブロックツールへの対策は、確実なものが現状存在せず、何らかの取捨選択を行う必要があります。

そもそもコンテンツを表示しない

アドブロックを使用している閲覧者には白紙ページを表示する方法です。

基本的に悪手といっていいですが、確実な方法です。

ただでの閲覧は絶対に許さないサイト運営者向けですが、これを行うくらい有益なページなら有料会員向けにシフトしたほうが良いです。

アドブロック解除のポップアップを表示する

アドブロックを使用している閲覧者にアドブロックの解除を促すポップアップを表示し、解除するまでサイトを閲覧できなくします。

そうすることで自発的に広告を表示させる方法です。アンチアドブロッカーとも呼称されます。

これも結局はユーザーの印象を悪くし、利便性を下げます。

基本的に似たようなコンテンツが他にある場合、すぐに他のサイトを閲覧しに行くだけであり、その結果直帰率が高くなるだけです。

どうしてもやりたいという方向けに実装方法をまとめましたので、興味がある方はご覧ください。

無料から有料コンテンツに変更する

かなりの人気サイトで唯一無二のものであればいいですが、基本的にはよほどのコンテンツでない限り悪手です。

いくら有益な情報を載せているサイトだからといっても無料ユーザーを排除することは、検索エンジンからも排除することになるため、デメリットが大きすぎます。

画像を同一ドメインから呼び出す

画像をサイトの同一ドメインに配置して呼び出すことでアドブロックを回避できる場合があります。

アフィリエイトASPのURL自体が非表示の対象になっている場合は表示されません。

また画像をダウンロード、アップロードする手間と別途ASPの画像使用に関するルールを守る必要があります。

文字タイトルでの誘導を増やす

文字でのアフィリエイトリンクは基本的に問題無く表示されるため、テキスト広告での誘導を増やしていくのが効果的です。

アドブロック(広告ブロック)解除のポップアップは逆効果?

各種ニュースサイトによく見られるアドブロック解除のポップアップ(アンチアドブロッカー)ですが、広告を表示できないと事業として成立しないため、対策することは理屈の上では理解はできます。

しかし、そもそもアドブロックを使用している人に解除を促したところで、収益的に意味があるのかは甚だ疑問が残ります。

単純にポップアップは邪魔である

アドブロックを使用するのが悪いといわれればそれまでですが、使用している人がその解除ポップアップが出てきたサイトをそのまま閲覧する可能性は限りなく低いと言わざるを得ません。

唯一無二の価値を提供しているサイトならばありえなくはないですが、同様のコンテンツを公開しているサイトがあれば直帰してそちらを閲覧しに行くのはほぼ確実です。

アドブロックを使用している人は、どの道広告は踏まない

アドブロックを使用している人は広告を基本的に踏まないような人ばかりというか、その広告を排除する目的でつかっているので解除したところでその人が広告を踏むことはほぼありません。

そのため、アドブロックが有っても無くても広告を踏まない人への対策は労力の無駄になる可能性があります。

検索エンジンへの直帰率が増える

Google等の検索エンジンでせっかくサイトが表示され、ユーザーが訪問してもアンチアドブロッカーによるポップアップによって直帰するユーザーが増加します。

検索エンジンは検索結果からユーザーがどのような動きをしているかを取得しています。

そのため直帰率が高いサイトと見なされ、サイト評価上不利になる可能性があります。

広告を見ない人は排除する狙いならそれもアリ

サーバーのトランザクション(負荷)削減も含めて「広告を見ない人に見せるコンテンツはない」とするなら対策としては有効です。

しかし、今後アドブロックを使用する人が増えると思われるこの世界情勢では、解除ポップアップを表示するだけの対策は「アドブロックを使用している人を完全に排除する動き」ともなり、いずれ閲覧者自体がいなくなる可能性が出てきます。

抜本的な対策は存在しない

ここまでアドブロックツールについて色々意見を述べてきましたが、抜本的な対策は今のところありません。

基本的には閲覧者のモラル・マナーの問題

今まで通り広告を表示させる方法は存在しません。

世界的に広告を忌避する流れが出来上がっていますので、それに適応していく必要があります。

法律についての問答は後述に記載しますが、広告を表示させるかどうかを選択するのは閲覧者側で、それはモラル・マナーの問題とされています。

悪質なサイトや広告が存在するのは事実であり、無条件でサイトのすべてを表示するのはセキュリティ上の危険もあります。

「なにを表示させるかは基本的に閲覧者側が選択する権利を持つべき」の方針で今後自分のサイトも適応する必要がありそうです。

広告が消えて困るのはサイト運営者側であって閲覧者側ではない

「広告が表示されなくて収益が減る」「無料でコンテンツを提供しているのに広告を表示させないのは困る」等、広告が表示されなくなって問題があるのは、コンテンツを提供し収益を得ているサイト運営者側であって閲覧者側ではありません。

本当に良いコンテンツを提供しているなら、世の中の流れが広告ブロック一色になっても有料化等、他の収益構造で十分に利益がでるはずですし、アンチアドブロッカーを導入しても問題無く表示してくれるはずです。

極端な話をするとアドブロックを入れて広告が表示されなくなり、収益が悪化して運営が続けられないサイトは良質なコンテンツを提供していないため、潰れても問題ないサイトだということです。

閲覧者側からすると似たようなサイトが消えて信頼できる元のソースを見つけやすくなります。

運営者側は唯一無二な良質なコンテンツを提供することで競争力のないサイトがいなくなり、さらなる収益を見込める可能性すらあります。

アドブロックが違法ではないのならば、閲覧者側がアドブロックを使用するかどうかは自由であるべきですし、なにを表示するかを選択する権利があるはずです。

ではアドブロックが違法なのかどうか世界ではどのように捉えられているか見てみます。

アドブロック(広告ブロック)は現時点では違法ではない

日本では広告ブロックを禁止する法律、またそれに関する裁判が行われた事例はありません。(2022年7月現在)

しかし、世界ではドイツの判例を元に違法性はないものとしての流れが進むと見られています。

2015年にはドイツのニュースサイト「デア・シュピーゲル(DER SPIEGEL)」が、アドブロックツール「Adblock Plus」を開発したドイツのソフトウェア開発企業「Eyeo GmbH」を相手取った訴訟を起こしました。

原告側は

オンライン上のユーザーには「サイト上で無料で提供されるニュースコンテンツを読み、いくつかの広告を見る」という行為をセットで提供していると主張したそうです。

そして、ユーザーはサイトのコンテンツにアクセスするかしないかの自由を持っているのに対し、Adblock Plusは一体となっていた「ニュースを読む」と「広告を見る」という行為を許可なく分解し、それが機会損失につながったとして訴えを起こしています。

加えて、Adblock Plusの開発元であるEyeoの行いは不公正な競争を生み出すものであり、コンテンツの提供を止めることにつながる可能性もある、と主張しています。

https://gigazine.net/news/20161213-adblock-plus-legal/

というもので、同様の裁判が他のメディアでも起こりました。

しかし、6度に渡ってすべて棄却され「Adblock Plusは合法」との判決が下されています。

その理由を裁判官はこのように述べています。

実際、Adblock Plusはデア・シュピーゲルの収益に影響を及ぼしているかは不明であり、広告ブロックサービスは全てのサイトに平等に効果を発揮するので、「Eyeoがデア・シュピーゲルをターゲットにしている」と判断するには至りませんでした。

そして、「被告が原告の機会損失につながることをしたとはいえない。インターネット上のユーザーが(Adblock Plusのような広告ブロックサービスを使って)望まない広告を非表示にしたり、悪意のあるソフトウェアから身を守ったり、データ通信量をコントロールしたりすることに興味を持つことは正常なことだ」としています。

https://gigazine.net/news/20161213-adblock-plus-legal/

さらに2019年にはドイツの出版大手「アクセルシュプリンガー」が「アドブロックツールがウェブサイトのコードを変更し、法的に保護されたコンテンツに直接アクセスすることを可能にする」として、アドブロックツール「Adblock Plus」を開発したドイツのソフトウェア開発企業「Eyeo GmbH」を相手取った訴訟を起こしました。

「アクセルシュプリンガー」は「Adblock Plus」の仕組みをメモリ内のコードを変更するPlayStation Portable用チートツールに例えて「勝手なコードの書き換えは著作権違反である」と主張しました。

しかしながら結果は変わらず、裁判の結果「著作権侵害には当たらない」との判決が下りました。

アドブロック(広告ブロック)の今後

現在は一部の人だけだが今後遅かれ早かれ普及する

現在は一部の人がアドブロックを使用して広告を非表示にしており、無料コンテンツでは収益的には一切貢献してません。

アドブロックを知らない方や知っていてあえて使用していない人が広告を見ることによってサイトの収益を守っている状態が続いています。

しかし、普通の人が広告を「見る」か「見ない」かどっちがいいかと聞かれたら、ほとんどの人は「見ない」を選択するはずです。

アドブロックが違法ではなく、モラルやマナーの問題と知ると多くの方がほぼ間違いなく使用します。

そのため今後アドブロックの使用率は増加の一途を辿ると考えます。

広告が表示されないブラウザも存在する

Google Chromeと同様のUIを持ち、一切広告が表示されないブラウザ「Brave」も存在します。このままの状態が続けば、そちらを使用する人が増加することも考えられます。

アメリカ発でセキュリティ性が高く、既に世界で5000万人シェアを誇ります。

インストールするだけでデフォルトで広告がブロックされます。

「Brave」はウェブ上の広告をすべてカットする代わりに、自社が提供する広告を独自に配信(任意)し、それを表示した閲覧者に対して、仮想通貨BAT(ベーシックアテンショントークン)を配布する仕組みも提供しています。

広告を配信する側も見る側もWIN・WINになれるおもしろい仕組みです。

ここでの広告を配信する側とは、「Brave」運営のことで、サイト運営者ではありません。

サイト運営者にとっては、閲覧者が貯めた仮想通貨BATを善意で寄付してもらうこともできる点は少し違いますが、寄付してもられることはほとんどないため、基本的には他のブラウザと大差ありません。

Googleがアドセンス含めどのような方向で対処するのかに注目

ブラウザの世界シェア65%で1位のGoogle Chromeですが、現在でも「Better Ads Standards」に準拠していないウェブ広告に対するブロック機能は備わっています。

簡単にいえば過度な表示をする広告は表示しない機能がデフォルトで備わっています。

Better Ads Standards

オンライン広告のユーザー体験を改善するための基準として、ユーザーが不快に思う12の広告表示スタイルを米国の団体Coalition for Better Ads(CBA)が定めたもの

https://blog.chromium.org/2018/02/how-chromes-ad-filtering-works.html

デスクトップ

  • ポップアップ広告
  • カウントダウン付き広告
    コンテンツが表示される前に広告が表示され、ユーザーが広告を閉じるにはその広告のカウントダウンが終了するのを待つ必要がある広告
  • 音声付き自動再生動画広告
    ページを表示しただけで自動的に再生されるビデオ広告
  • 画面占有率30%以上の大型スティッキー広告
    画面占有率30%以上で画面下部等に表示されスクロールしても追従して同位置に表示される広告

モバイル

  • ポップアップ広告
  • プレスティシャル広告
    小さな「閉じる」ボタン等で誤タップを誘導するような全面に表示される広告
  • 音声付き自動再生動画広告
  • カウントダウン付き広告
  • 画面占有率30%以上の広告
  • 点滅するアニメーション広告
    背景やバナーの色が極端に変わりまぶしい広告
  • 画面占有率30%以上の大型スティッキー広告
  • 全画面スクロールオーバー広告
    画面をスクロールする際に、画面占有率30%以上または、全画面を覆う広告

しかしながら広告を完全にブロックすることはできず、ブロックする場合は拡張機能に追加する流れが一般的です。

Googleは広告から莫大な収益を得ており、広告が表示されない影響を一番実感しているはずです。

今後自社のGoogle Adsense含め、アドブロックに対する見解と対策をどのようにしていくのか注目です。

それによってサイト運営者も柔軟に対処していく必要があります。

まとめ

Googleは過度な広告を排除する動きは見せているものの、広告の完全非表示には舵を切っていません。今後どのような広告のあり方がどのようになるか引き続き注目していく必要があります。

しかしながら世界的に「アドブロック(広告ブロック)」は違法ではない認識が広まっており、完全な広告非表示の流れが続くものと思われます。

この流れが変わらないとアドブロック使用者は年々増加することになり、今まで通りアドセンス広告やアフィリエイト広告を設置するだけでは収益性が低下することは避けられません。

コンテンツの質を上げるのはもちろんですが、アドブロックで表示されない広告を把握し、文字リンクに置き換えたり、画像を自ドメイン配下に配置して呼び出す等の対策が重要です。

アダルトサイトは特に画像リンク、画像バナーが大量に使用されていると思いますので、レイアウト崩れも含めて一度抜本的に見直す必要があります。

なんらかの収益がないとサイトが運営できないのは周知の事実ですので、今後の広告業界の対応や技術革新にも期待したいところです。

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